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天草更紗染元 野のやの公式オンラインショップ。

【天草における更紗の歴史】
桃山時代に舶来品として日本へ持ち込まれた更紗。
ポルトガルなどから宣教師が来島し、南蛮文化が栄えていた天草にも更紗がもたらされ、当時の人々が触れた西欧文化や花鳥風月を布地に描き、独自の異国情緒漂う更紗が形成されていきました。
キリシタン弾圧の時代、マカオやジャカルタへ追放された西欧人やその家族は、望郷の念や会えない人を案じ、祈る気持ちを何とか届けようと南蛮の品に装った更紗布の裏に模様風の便りをしたためたといわれています。

天草における更紗染めの技術伝承は途絶えと復興を繰り返しながら、1965~70年頃を最後に途絶え、2000年代に入り、当工房にて「平成の天草更紗」として復興させました。
野のやは古くから伝わる染めの手技を取り戻し、品格に重きを置きながら、時代に合った天草更紗を染めています。

【天草更紗 染めの技法】
和紙の型紙を使い、染料をヘラを使って手で染め上げる捺染(なっせん)染めという技法を用いています。10枚以上の型紙を使い、時間をかけて染めては乾かす作業を繰り返し、柄を作り上げます。気候により布の状態や染め具合に変化が生じるのですが、1ミリでもズレが生じると模様が成立しないため、1つの柄を完成させるには高度な技術を要します。

野のやの商品は良質な素材にこだわり、染めから縫製までひとつひとつ手作業で、天草の地で想いを込めて制作しています。

天草更紗染元 野のや
代表 中村いすず